心身障害者の自己主張としての自己表現或いは自己の開示についての私見

昔「信楽から吹いてくる風」というシグロ制作のドキュメンタリー映画を見て、障害者だけど、作品が素晴らしいのではなくて、その感性と自己表現の在りかたがたまらなくいいなと思った 心身の障害の有無によって表現を差別的に見てはならないとずーっと思っている 私も自主出版の編集者に好きな映画の「祭りの準備」についての批評(感想文?)文章を書かせてもらったり、同じクリニックで通院、加療する患者に誘われて訳の分からない自主映画に参加した時にはシアターZeroや下北沢のトリウッドでも公開したけど、気狂いたちの作った作品としてしか見てもらえなかった側面があった 出演した濃厚バンデラスこと田口直樹もそう見なされていた 彼は生前ブルーを基調とした少女の叙情的な油絵を残した フリーダ・カーロカミュ・デ・クローデル、ガウディ、ジャニス、立花ハジメ、忌志郎をこよなく愛した永遠のボヘミアン、ホーボーに憧れる借金まみれで、アル中予備軍の気のいい奴だった 彼を含めて私も参加者もみんな所謂気狂いばかりだった 今でも彼はYouTubeの中で生き続けている 癒しとしての音楽、安彦氏の提唱し、標榜する(自己)表現としての絵画、ピーター・ブルックの描いた「マラー/サド」のような精神療法としての演劇、小説、信楽での陶器づくり、詩集の発表etc.表現は多様にあると思う私は前述した以外には笠置シズ子稲垣浩、アラカン鞍馬天狗などの古典映画の上映会、熱く激しく闘われた全共闘などの運動を風化させない為に塩見隆也氏や小西誠氏らと「怒りをうたえ!」というドキュメンタリー映画の上映会や竹中直人氏、小沼勝氏、田中登相米慎二石井隆、一色信幸、日野繭子、水島裕子氏らに来ていただいて日活ロマン大賞とか色々やってました 街頭のシンガー・ソングライター(ストリートパフォーマー)であれ風の旅団、水族館劇場であれ何であれ一度くらいは友達が来てくれても感動やカタルシスが得られなくては二度と顧みられない あらためて表現の質と幅広さと困難性を考えています 数ヶ月前から激しい死の恐怖と過去のトラウマと視線恐怖に襲われている上に、毎日殆ど眠れないし、お金もなくてろくにご飯も食べていないけれど、自分が元気で瑞瑞しく少しだけでも燦然と輝いていた、あの頃の原点に立ち返って今後も何らかの自己表現を続け、自分が本当に生きてきた意味と価値と証しを何とか残したいと思っています たとえ悪足掻きで、やること成すことが空転して空振りに終わろうとも、ジャンル・ルイ・バローや原田芳雄さんに憧れて演劇学校に通ったあの頃、山田太一さん、中島丈博さん、市川森一さん、鎌田敏夫さん、高橋玄洋さん、荒井晴彦さんのようには描けなくても人間の痛み、哀しみ、切なさ、愚かさ、苦悩、孤独、みっともなさ、狂気を少しだけでも描いたシナリオも描いてみたいと思っています それにしても志し半ばで早逝した若松孝二監督も原田芳雄さんもさぞ無念だったろうと思っています 若松監督には二度お会いして連合赤軍に対する熱く激しい思いと次回作のことを聞いたことがありました 長々と支離滅裂な拙文を読んでくれた方にとても感謝します 心は孤独な狩人或いは切ない愛の乞食ことロンリネス均